【実録】日本語の先生
ブログをご覧の皆様こんにちは!
最近、依頼を受けて日本語を教えているのですが、
教えている私が沢山の事を学ばせてもらっているので、
そのことについてご紹介させて頂きます。
教えているのは純イタリア人の12歳の少年。
日本語の吸収力がスポンジの様にどんどん覚えていく様を見ると
とても教えがいがあります。
日本で生まれ育つ大半の方はひらがなを覚えるのは
もっと前の年齢でしょうから、12歳の思考力が伴った状態で、
且つ、記憶力もまだまだ柔軟な世代に教えることが出来るのは、
本当に楽しいです。
教えていく中で、幾つか彼の言動や行動でハッとしたことをご紹介。
・や行のひらがなを教えていた時。
その他の行と異なり、ゐとゑは教えておらず、
3文字しかないことに疑問を持ち、すぐに質問してくれました。
教えられたままを単純にそういうものだからと
丸暗記しがちな語学のルールにおいて、
体系的に理解しながら学習しており、疑問をもってすぐに聞ける性格は
今後も語学学習に武器になるのだろうなと感心しました。
・ひらがなを一通り教え切ったところで、
自分のスマートフォンでもひらがなを入力したいとなった時。
勿論彼が普段使用しているのは、ローマ字書かれたイタリア語キーボードですが、
日本語を入力する際には、意外と色々なキーボードがあるのです。
一つは「ローマ字キーボード」
いわゆるパソコンと同じ配列のもので、「か」と打ちたい時は
K+Aと打ち込むやつ。
二つ目は「ひらがな表キーボード」
日本で生まれ育った人の大半が見るであろう、50音表のあれ。
右上からあいうえおと始まり左下にわをんとなっているキーボード。
最後は「12音キーボード」
「あ」母音のひらがなが並ぶ、
いわゆる携帯やスマートフォンの普及と共に広まった
フリック入力ができるキーボードです。
↓このように並んでいるもの
あかさ
たなは
まやら
わ
教える側としては、急いで習得する期限のあるレッスンではないので、
ローマ字、ひらがな、12音と慣れていくスピードに
合わせて段階を上げていってあげればいいかな・・・
なんて考えておりましたが、彼は初めから12音のキーボードを設定して、
(それも、以前にチラッと私の携帯画面が見えたから、
そのキーボードを使って打ち込みたいと思っていたという!!!)
さくさくと入力を始めるではありませんか。
自分の名前も、今まで学んだ単語も入力してみたいと
挑戦の手が止まりません。
教えている側としては、自分の固定概念を大きく覆されたようで、
感動と感激を覚えました。
読み書きではなく、これから彼に必要とされる能力は
スマホやPCで入力できること、そしてそれを読み、意味をくみ取れること
なのだと学ばされました。
「じゃがいも」と入力したかったのですが、
はじめは濁点の入力が分からず「じ」ではなく「し、、」としていたり、
小さい「ゃ」が難しく、「や」のままになっていたりと、
それらも自分であっという間に修正の入力方法を見つけ出し、
まるでゲーム感覚で覚えていっているのです。
楽しむ、好きになるというのは本当に学びの原動力になりえるのだな。
教える側は、自分が学んできた固定概念に縛られず、
柔軟に(時代に必要とされているスキル、個人の興味や資質に沿って)
教えていく必要があるのだなと感じました。
それでは!